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気ままに、どう見ても気ままな一人暮らしです。


by wawa38

黄色の新幹線






豊橋で詩話会というものがあり、参加。
家から一時間半かかるが会場は豊橋駅前。電車に乗りさえすれば、簡単に行ける場所。


会が始まる前に、窓から線路を一枚、パチリとやったとき、黄色の列車が向こうの方を駆け抜けていく。

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ドクターイエローだ。


いいことありそう。





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お話は・・・
詩人は変人が多いという内容の、少し変人のデンさんの詩人交遊歴だった。
ある講演会で、上半身は立派な背広姿なのに下はステテコだった人や、いつ会っても酔っぱらっていた詩人とか。
クセのある人だったが存在感のあった岐阜の詩人の話。私も、この方にはお世話になったくちである。
ほとんど、いまは故人となっている。デンさんもすでに75歳だから。

話は、面白かった。

でも、とても寒く、私はお腹の調子がイマイチで、飲み会は失礼して帰ってきてしまった。
帰りの電車の中から、雪がチラついているのが見えて、早く帰ったのは正解だった。



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深夜になって、スマホで、いつも見ているブロガーさんの記事を見ていたら、夫のときのことを思い出し、眠れなくなってしまった。
その前に3時間ほど、ソファの上で寝ていたから当然なのだけれど。


現代の医療についてである。
私の夫は、珍しい腫瘍が出来て亡くなった。
初めの手術は、地元の市民病院で。
そのような珍しいものだとはわからず、ただ腫瘍を取り除き、すぐ仕事に復帰しゴルフも釣りも、囲碁も将棋も、フル回転だった。その後の五年は、すっかり治ったと思い込んでいた。

けれど五年後に、健康診断で異常数値多数。詳しく検査したのち、腫瘍の名がはっきりして、大学病院で手術。その後の3年は、元通り元気だった。

そして3度目の手術を受け、
その後の二年間ことを思うと、今も涙が出てくる。


担当医師は信頼のおける人ではあったが、身体の別の場所に異常が出たときは、いちいち別の診療科に出向いて掛からなばならず、別の専門医師が担当となり、病院のシステム本位で患者側ではないのだった。人は臓器ごと別々に存在しているものではないのに、と専門ごとに分かれていて連携のないことに怒りをおぼえていた。これは、人を診るのではなく病気を診ているだけだと。

あれから20年近く経ったが、大病院の様子はさして変わっていないようだ(聞くところではあるが)
私の夫は、最後まで意識はしっかりしていて、自分で治療方法を選択した。先進医療は、幸か不幸かそのころ起こった放射能事故が問題になり、病院にその設備はあっても使えなかった。
結果的に、最後の一年を自宅で過ごすことができた。もちろん、一般的な放射線治療に通いながらではあった。

夫に付き添いながら思ったことは、私がこのような根治困難な病気になったら、絶対に手術など受けない。先進医療も絶対に受けない。緩和治療を選択する。

人の最期は、人らしく、と思う。

その昔、人の寿命が50年くらいだったころは長く生きられるのが幸せとされていた。寿命がグーンと延びた現在、その生の質が大事だと思う。もう自分の限界が見えたら、無駄に膨大にかかる医療費は使うべきでなく、次世代のことを考えてあげるべきと、私は思っている。


なあんて言っていて、その時がきたらオタオタするかもしれない。
自分の気持ちを自分自身に問うことも兼ねて、いまのうちに遺言を書いておこう。



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今日は午前中に、戴きものの花がたくさんあるからと妹と墓参りに行ってきた。
そのあとで、私の家の近くにある(若者に人気の海の見える)カフェでお茶をして、隣のテーブルのフルーツサンドをチラ見しながら、あのような生クリームたっぷりのものなど、もう、とても食べられないと言い合っていた。インスタ映えするイチゴ入りの可愛いサンド。客は、私たち以外は、若いカップルと、若いお母さんたちのグループ(小さな子を連れて来ていた)だった。
ここは平和・・・
私たちも、とりあえず平和。





Commented by saheizi-inokori at 2018-01-29 23:48
亡妻を癌研からホスピスに移してやらなかったら、私は狂っていたかもしれないです。
臓器ごとの縦割り、最近はやや改善されてきた病院もあると先日読んだ本にはありました。
でもまだまだ医療「業界」も患者・家族たちも学ばなければお互いに不幸になるのではないかと思います。
Commented by wawa38 at 2018-01-30 09:12
saheiziさま
ホスピスで奥さまに付き添われたころ、saheiziさんはまだ現役だったはず。よくなさいましたね。奥さまも嬉しかったことでしょう。

私の夫は、壮絶な闘病でした。3度の大手術の他に2度手術を受けています。「もうよしたら。体力を失くすだけの治療は」と言いたかったのですが、言えませんでした。
本人の気が済むならと、漢方薬を出してくれる知り合いの町医者を訪ね、大病院と別に通っていました(本人の希望でしたが私が代理で)。
どこかから高額な「何とかエキス」も取り寄せていました。内心、今さら手遅れと思っていましたが、やはり言えませんでした。

手術数をやたらに誇る医師や、臨床試験のような手術をやりたがる医師、やたらに忙しい看護師、あのような大病院は早急に改善すべきと思っています。
Commented by pallet-sorairo at 2018-01-30 21:10
ドクターイエローのことつい先日知りました。
見てみたいなぁ。
で、赤い電車の通る踏切辺り…
見覚えがあるのですが、もしや以前のお住まい辺りかと。
間違っていたらごめんなさい。
Commented by wawa38 at 2018-01-31 09:43
> pallet-sorairoさま
私は、以前も数回見たことがあります。
いずれも遠くから。でも、偶然しか見られないものに出会えるのは嬉しいです。

この踏切は今の住居の近くです。引っ越してきたのは、同じ私鉄の沿線なんです。
赤い電車、アップしたことがあったかもしれませんね( ^^)
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by wawa38 | 2018-01-29 13:32 | 風の色 | Trackback | Comments(4)