現実はドラマよりドラマ
2018年 07月 06日
あの事件のわりには、死刑でケリをつけるにはあまりにあっけなくもあり報復的、と思うが、ここまで来るのに長い時間が経った。
ふと、地下鉄サリン事件の被害者たちを取材して書かれた村上春樹の「アンダーグランド」という本を読んだことを思い出した。
ぶ厚い本だったが、ドキュメンタリーのドラマのようで、内容の割にはらくに読めたことも。村上春樹にしては珍しい本。
事件や災害や事故、ドラマのようなできごとはたびたび起こる。しかしドラマより深刻で、出遭った人の多くは、その「時」に置いてきぼりされたようにずっとそのままである。
記憶が定かではないが、当時、私が親しくしていた男性のこともついでに思い出した。アンダーグランドを読めと言ったのがその人だったので。
いろんな面で影響を受けた人だったが、顔を見なくなって随分と久しい。そしてドラマのように偶然に再会ということもない。
別に会いたくもないが、現実はドラマと異なって、自分の心の変化のありようが妙にあっさりしていることに気が付く。
夫が亡くなって以来、(私にとっては)あまりの現実に、ほかのことが却ってドラマのように思えるのかもしれない。そう。置いてきぼりされたままな気持ちなのだ。
オウム教祖の死刑執行で、余計なことまで思い出してしまった。
今日は、歯のメンテナンスに。
歯科医も歩いて3分の距離。雨も気にならず、その歯科医院の天井の柄が、青空と雲なのでそれを見ながら口をあいていた。
奥の義歯(カナシイゲンジツ)の具合もよく、「よく磨けています」と褒められて戻ってきた。
しかし雨、空の底が抜けたのか。誰か、塞いでくれないかな。
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saheizi-inokori at 2018-07-06 22:03
一遍に七人を縊り殺す、西部劇みたいな野蛮な国だと思いました。
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wawa38 at 2018-07-07 11:02
by wawa38
| 2018-07-06 21:16
| 風の色
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